借金返済で弁護士に相談



《 嫉 妬 さ せ ら れ る く ら い に 可 愛 い 子 》





椋陽児 画



「あの子、少しくらい顔が可愛いからって、皆にちやほやされて、いい気になってんじゃないの。
少し懲らしめてやらなきゃ、わかんないんじゃないの、自分だって普通の女だってことをさ」
「そうね、それはおもしろいかもね、美少女がさめざめと泣くところを見てみたいものだわ」
「いじめて泣かすだけじゃ、つまらないわよ、私たちの言いなりになる奴隷になってもらわくちゃ」
校庭の片隅にある運道具室では、授業をふけた三人の女生徒がそう話し合っていました。
「でも、いったいどうやってあの子をいじめると言うの、ありきたりのことじゃつまらないわよ」
「いいものがあるのよ、見て、見て」
女生徒のひとりがカバンから取り出したのは一冊のSM雑誌でした。
彼女はその雑誌を開くと、ふたりに『学園の麗花 無残』という組写真を見せたのです――

可憐な美少女が女生徒たちに因縁をつけられ、教室の壇上へ立たされていました。
学園一の美少女として恥ずかしくない女かどうか、生徒を代表して検分すると言われたのです。
もちろん、美少女は自分が「学園一の美少女」なんかではないことを主張しました。
けれど、美しくて、品があって、輝いていた美少女の否定の言葉は嫌味にしか聞こえませんでした。
言うことが聞けなければ指示棒でひっぱたくぞと脅され、美少女は恐ろしさに震えながら、
恥ずかしさに泣き出す思いを必死にこらえて言いなりになっていくのでした。
スカートを脱げと言われたばかりでなく、ショーツまでずり下ろせと言われたのです。
きれいな髪をしているばかりでなく、きれいに毛が生えそろっているか、頭髪検査をするというのです。
顔を真っ赤に火照らせ、身体全体からわき上がってくる震えを懸命におさえながら、
美少女は検査のための晒しものとなって壇上に立たされました。
検査の結果は、いじらしい感じがするだけで、大人っぽい悩ましさに欠けると決めつけられました。
「学園一の美少女」というのは評判だけで、それを見たら、男性はみな失望するわ、と言われたのです。
皆に嘘をついてきた罰として、これから、本当に女として本物かどうか検分すると申し渡されたのでした。
麻縄が持ってこられました、美少女は、嫌です、嫌です、お願いです、やめてください、と哀願しました。
しかし、女生徒たちはせせら笑うだけで、三人がかりで後ろ手に縛り、胸縄まで掛けた姿にさせたのです。
縄で拘束された姿になったことは、その縄を掛けた者の奴隷になった証拠よ、と言われました。
奴隷記念に写真を撮りましょうと言って、下半身をむきだしのまま、椅子に姿勢よく座らされました。
写真が撮られると、わかっているわよね、あんたが私たちの言いなりにならない場合は、
あんたは見せかけの美少女ですって、皆にあんたのみっともない姿を見てもらうことになるからね、
と宣告されました。
そんな……ついに、美少女の大きな瞳からは涙があふれ出してくるのでした。
泣いている暇なんか、ないのよ、まだ、始まったばかりじゃない、さあ、匂いを嗅ぎなさいよ。
座った姿勢のまま、女生徒のひとりにずり下ろされたショーツを広げられて、
染みの付いている箇所を差しだされました。
あんた、自分のもんじゃない、何嫌がってんのよ、さっさと舐めなさいよ。
縄尻を取ったもうひとりの女生徒は、相手の頭を無理やり押さえつけてショーツへ触れさせようとしました。
ほかにしようがなかったのです、美少女は言われたとおりに舌先を出して舐めたのでした。
三人は、しめたとばかりに歓声を上げて、笑いこけました。
やっぱり、あんたは上品な学園一の美少女なんかではなかったのよ、せいぜいなれて、奴隷ね、
それも、本物になれるかどうか、なにせ、あんたは見せかけだけの嘘つきだからね。
そして、どのようなことであっても、命じられるままになるのが奴隷の境遇であると決め付けられたのです。
机と机の間に縄を渡され、しかもその縄には瘤が等間隔に作られていて、
その縄をまたいで歩けと命じられました。
泣きじゃくる美少女の姿は哀れみを誘うどころか、
嫉妬をいだている女生徒たちの眼には、
ますますその可憐さをぶち壊したいと思わせることに映ったのでした。
すぐに言うことをきかない美少女の首には首輪のような縄が掛けられました。
奴隷はふたりがかりで縄へまたがされると、さあ、歩け、と首へ繋がれた縄を激しく引っ張られたのです。
ただでさえ、身体の重みで股間を通されている麻縄が食い込んできます、
それが床へひざまずかせられた両脚をそろそろと動かすと、
瘤のある箇所が女の敏感な小突起へ触れて、その刺激に思わずびくんと身体がのけぞるのです、
けれど、首縄を引っ張られていますから、前へ進むほかないのでした。
後ろ手に縛られ胸縄を掛けられている姿ではどうにもできません、
ああっ、ああっ、と悲鳴を上げてしまうしかないのでした。
何よ、可愛い顔していたって、人前で平気で淫らな陰毛は見せるわ、
自分の汚した染みを嗅いで気持ちよさそうにはするわ、
女を刺激されただけで慎ましさも忘れて悩ましい声を上げるわ、
どこが品のよい美少女よ、ただの普通の女じゃない、いや、普通の女以下だわ、奴隷女よ。
そうよ、しっかりとそういうものになってもらいましょ、学園一の美少女は淫乱な奴隷女でありますって。
べっとりと女の蜜をあふれ出させるまで、奴隷女はまたいだ縄へわれめをこすりつけるのよ、わかった、
わかったら、休んでいないで、瘤をあそこに含みなさないよ、含んで淫らな声を上げなさいよ。
それから、言われたとおりの結果になるまで、張り縄の調教は続けられたのでした。
ようやく、縄尻を取られて立たせられた奴隷は、
太腿までしとど濡らした女の蜜をしっかりと確かめられました。
清楚できれいな顔をしているからって、好きなものは好きなのよね、身体は正直なものだわ、
あんたは淫乱な奴隷女が本性だってことがわかったのよ、今度はそれに磨きをかけてあげるからね。
可憐な美少女には、もはや抵抗の言葉も態度もあらわれませんでした、
その瞳は遠い彼方を見つめているようにうつろで、自分の残酷な境遇に目をつむっているようでした。
一度拘束されていた縄を解かれ、三人ががりで身に着けていたセーターやブラウスを脱がされていっても、
奴隷はされるがままになっているだけで、まるで美しい生き人形のようでしかなかったのでした。
いいこと、奴隷女に似合う衣装は縄の緊縛だけなのよ、縛ってくださいと私たちにお願いしなさいよ。
靴と靴下以外、肌を隠す衣服を奪われた奴隷は、言われたとおりの言葉を繰り返すだけでした。
後ろ手に縛られました、あからさまにされた乳房の上下へ幾重にも縄を掛けられました、
それから、腰のくびれにかけて雁字搦めに縄を巻きつけられていきました、
最後は股間へもぐらされた縄でした、これは女の小丘がせり出すように左右から締め上げられました。
縄の拘束だけでも、しっかりと身体が刺激されるような縄掛けが行なわれたのでした。
それは被縛された者の反応を見れば、一目瞭然のことでした。
美少女は寡黙になってうつむいたまま、
身体からわき上がってくる切ない悪寒に裸の柔肌を震わせているのでした。
あんただけ、気持ちのよいものを感じているなんて、ずるいわよ。
そうよ、私たちにも、気持ちのよい思いをさせて。
さあ、床へひざまずきなさいよ。
ひざまずいた奴隷の前へ椅子がもってこられ、女生徒のひとりが奴隷の方を向いて腰かけました。
女生徒はスカートをまくり上げてショーツを下ろすと、恥ずかしげもなく大股開きにして見せたのです。
眼の前に、これ見よがしにぱっくりとむき出しになっている女の羞恥を見せられて、
美少女も驚きのあまり眼を見開いて、緊縛の裸身をたじろがせました。
何を恥ずかしがっているのよ、あんたのものと一緒でしょ、それとも、私のは汚いとでも言うの。
さあ、ご主人様のものをお舐め、ご主人様が満足するまで止めさせないからね。
そう言われて、奴隷は無理やり背を曲げさせられ、顔をその間近まで持ってこさせられたのです。
縛り上げられた裸身では、自然とあふれ出してくる涙を拭うこともできず、
奴隷はやむなく舌先を出して、女生徒の太腿のあたりから触れさせ始めるのでした。
何やってんのよ、あんたは上品な学園一の美少女じゃないのよ、淫乱な奴隷女らしくやりなさいよ。
女生徒のひとりが突き出した奴隷の尻のあからさまになっている女の羞恥へ、
棒のようなものを持ってきてなぶり始めました。
あんただって、もうこんなに蜜をあふれ出させているじゃない、ご主人様にも早くして差し上げなさいよ。
女生徒の操る棒にけしかけられて、奴隷は女の羞恥へ顔をうずめて舌の愛撫を繰り返すのでした。
たっぷりとした時間がかけられて、主人と奴隷はほぼ同時に喜びの頂点へと昇りつめていきました。
では、ごほうびね。
奴隷はふたりがかりで床へ仰向けに寝かされると、もうひとりの女生徒がその頭のところへ立ちました。
女生徒はスカートをはいていません、ショーツもはいていません、下半身をむき出しにさせていました。
あんたも舌を一生懸命使って、のどもカラカラでしょ、おいしい水をあげるから、たっぷり飲むのよ。
そう言うと、奴隷の口もとめがけて、勢いよく黄金水を放出させたのでした。













――そのSM雑誌の組写真を見終わった三人の女生徒は口々に言いました。
「すごい写真だわね、本当にあの子がこんなになるのかしら、信じられないわ」
「私たち、本当にこんなこと、あの子にするの、何だかぞくぞくしてくるわね」
「そうよ、あの子の美しい自尊心は、今日の放課後、無残にも破壊されてしまうの」
三人は顔を見合わせて、「私たちにね」と声をそろえて叫ぶのでした。


女生徒たちの話題になっていた美少女は、二階の教室で授業を聴いているところでした。
先生の授業は少しむずかしく退屈だったので、思わず眠気を誘われずにはいられないものでした。
「人間には自己意識というものが明確にあります。
この自己意識というのは、ほかの動物にもあるものなのかもしれませんが、
人間のそれのようにみずから発展させることをしない点に違いがあると思います。
人間の自己意識は発展し、展開するものです。
いつでも、同じ状態にとどまっているものではありません。
人間の自己意識は発展し、展開することを活動として定められているのです。
このことはとても重要です、そのありようは各個人によってさまざまでありますが、
変化し続けることで感じることのできるものなのです。
自分とはいったい何なのだろう、誰もが持つ疑問です。
この疑問に明確な回答が与えられないのは、こうした自己意識の転変の活動によるものなのです。
しかし、自分でわかっているような感じのする自己というものはあります。
これは自己意識が境界線を持っていることによります。
もっと明確に言うと、テリトリー、縄張りという境界を持っているということです。
縄張りというのは、そこにいる主人が自分に益する領域であると意識している範囲のことです。
従って、その領域の広さは、各自が益すると感じている価値に従っていることになります。
では、その広さはどのようにして感じられるものなのでしょうか。
自己意識の縄張りを脅かされると感じたときにその境界線は明らかとなるのです。
その脅かす対象にたいして、恐怖や不安、嫉妬や憎悪、嫌悪や愛着といったことを感じるときに、
つまり、自己意識の縄張りの境界線はどこにあるかといえば、対象となるものとの接点ということです。
対象となるものと言いましたが、それは人間をはじめとして万物を意味しているからです。
人間は自然界で生きているわけですから、これは当然のことです。
人間はその自然界で安住できるように衣食住のさまざまな工夫を凝らして文明を発展させてきました。
自己意識もその主人が安住できるために、脅かす対象に対しては、さまざまな工夫がされるのです。
人間は自己意識なしには、いっさいの行動を行なえません。
自己意識の発展をみずから停止して、
脅かす対象となる人間の言いなりなったように振舞うことはできます。
しかし、それは脅かす対象そのものとなった自己意識ということではありません。
自己意識が縄張りの境界線をそこのところへ引いているということにすぎないのです。
自己意識が境界線を拡張しようとすれば、それは工夫でどうにでもなることなのです。
ですから、自己意識は大切にすべきものです。
たとえ、いじめにあったからといって、自己意識の縄張りを放棄する必要はないのです、
小さく感じている縄張りをどのようにしたら広げることができるか、そこから始めるのです。
縄というのは、人間が植物繊維を撚って作り出したもので、人類の創始以来あるものです、
その縄を張りめぐらせて作る縄張りなのです、
ひとりひとりが工夫を凝らした自己意識の縄張りを作ろうとすれば、
人間はよりよくお互いを理解することができるようになるのかもしれません」
授業を受けていた何人かの生徒は、実際、居眠りしていました。
けれど、美少女は真剣なまなざしで授業を聴いていました。
たとえ、その授業の内容がいっさい頭へ入らなくても、
先生の声が聞こえ、その姿が眼に入っていれば、頭は恋する思いでいっぱいだったのです。
先生に言われることであれば、何でも応えることができると思っていました。
初めて先生とふたりきりになったとき、先生は彼女のことをずっと思っていたと言いました。
美少女の方もそうでした。
ふたりはひと目につかない地方のモーテルで休憩したこともありました。
そのとき、先生は、きみの生まれたままの美しい姿が見たいと言いました。
美少女は恥ずかしさを感じましたが、愛するひとの言葉であれば、何でもないことでした。
一糸まとわぬ全裸姿になった美少女を見て、先生は、きれいだ、きれいだ、と言って感激していました。
そして、美少女を力いっぱい抱きしめて、唇を重ね合わせてきました。
美少女もうれしくてたまりませんでした、ですから、先生が、
「きみをぼくの縄で縛りたい、ぼくの愛の縄張りのあかしをきみに感じてもらいたい」
と言って麻縄の束を差しだしたとき、不安のおののきは意識したものの、
それに負けない先生への愛着がその不安をむしろ甘美なものと感じさせたのでした。
先生の縄さばきは巧みでした、それが美少女の先生に対する信頼をさらに高めさせたのです。
生まれたままの全裸を後ろ手に縛られたばかりではありませんでした、
首に掛けられた縄を縦に下ろされ、股間のわれめへ埋没するようにもぐらされて、
さらに、その縦縄を横縄を使って菱形の文様が身体の上に浮き上がるように締め込まれたのです。
それから、部屋にあった椅子へ腰掛けさせられると、
両脚をきちっとそろえ、太腿のあたりと足首へ縄を巻きつけられて、
身動きの取れないようにされたのです。
そして、言葉さえ封じられるように手拭いで猿轡をされたのでした。
しかし、先生の手でそうした姿にされたことは、
美少女を不思議なくらい切なく胸を高鳴らせる思いにさせたのです。
「ぼくのきみへの思いがどれだけ、きみへの愛の縄張りを表現できるか、絵に描いてみせる」
と言って、全裸を縄で緊縛された彼女をモデルにして、鉛筆画を始めたのでした。
それは、長い時間のかけられた丁寧な作業でした。
美少女は身体をあらゆる箇所から締め付けてくる縄の拘束感のなかで、
眼の前で真剣に自分を写生している先生の姿を思えば思うほど、
女の羞恥の箇所へ食い込んだ縄が微妙にうごめくのを意識させられるのと同時に、
厚ぼったい感覚に高ぶらされていく肉体に戸惑いをおぼえさせられるのでした。
それは生まれて初めて知った、
悩ましく甘美な女の喜びへ到達するためのやるせなさの入口だったのです。
そうした官能に翻弄されていたときの姿を先生は見事な腕前の絵画に描きました。
その素晴らしい絵を先生から贈られた美少女は、それが宝物となりました。
あわせて、先生に官能に高ぶらされた肉体をベッドまで抱きかかえられていって、
縄付きのまま、先生から贈られた愛の放出は宝物となったのでした。
先生の愛の縄張りに囲まれているからこそ、強い喜びがあるのだと美少女は知ったのでした。
いま、その先生は授業を終えて、教室を出て行こうとしていました。
そのとき、先生は肩越しに美少女の方を振り返ると、まなざしの合図の送りました。
学校が引けたら、先生とふたりでドライブへ行くことになっていました。
明日は学校が休みです、ふたりの時間はたっぷりあるのです。
美少女はそれを思うと、甘く高鳴る胸が女の羞恥の箇所さえうずかせることにどきどきしていました。


放課後、嫉妬にかられ憎悪に燃えた三人の女生徒たちは、
用意した麻縄やカメラや例のSM雑誌をバッグに隠して、美少女があらわれるのを待っていました。
しかし、いつも下校する場所で待っていても、美少女はいつまでたってもあらわれませんでした。
それでも、三人は辛抱強く、嫉妬や憎悪の勢いにまかせて待ち続けたのでした。




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