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講演後に送られてきた一通の電子メールによる追加情報


『 現 実 と 似 非 現 実 』


麻生絵美子先生に講演を行っていただいてから、数日も経たないことだった。
<上昇と下降の館>宛に一通の電子メールが送られてきた。
差出人は匿名で、内容は先生の講義に関することだった。
さっそく、麻生先生にご覧にいれたところ、
先生は、「誰から送られたものか、察しはつきます」とお答えになられた。
また、その文面が要求している内容についても、対処の方法をお答えになられた。
それに従ったかたちで以下に発表するものである。


匿名の差出人より送付された電子メールの文面




 上昇と下降の館
      館長 殿

 前略

 「麻生絵美子の講義」を拝聴させていただいた者である。
 いや、拝見させていただいたと言った方がよいか。
 いずれにしても、絵美子氏の優美な肢体が昔のままであることが嬉しかった。
 だが、それを公に晒して、皆のものとすることは腹立たしいかぎりである。
 絵美子は僕一人のものであってこそ、絵美子なのだ。
 だが、彼女には今や僕の存在など眼の縁にもかからないだろう。
 僕のその独占欲が彼女を去らせてしまったのだから。
 それはわかっている。
 わかっているが、仕方のないことだ。
 恋人の仲というのは、理屈や理論なんかでは片付けられない奥深いものがある。
 絵美子にもそれがわかって欲しかった。
 あのときは僕の縄にさめざめと泣いた初々しい絵美子だったのだ。
 僕はそのときのことを一生忘れない。
 そのときの記念に撮影した「絵美子のALBUM」を今も大切に持っている。
 そう、今日、メールを送るのはそのALBUMについてのことだ。
 絵美子は講演のなかで次のように言った。

 私たちの立場からすると、「女性の緊縛の必然性」を立証なさりたいのなら、
 「男性の緊縛の必然性」が立証なされなければ、単なる仮説か思い付きに過ぎないものなのです。
 光があれば影があるように、影を表現なさりたければ光をあらわさなければならないのです。

 絵美子にとって光になることなのか影なることなのかはわからないが、
 彼女みずから「縄で縛られた経験をもっている」と打ち明けたことは、
 事実であったということが示されなければならないはずである。
 光であろうと影であろうと、現実にそれは存在しているのだ。
 そうでなければ、『環に結ばれた縄』のパンフレット作者に対して一方的な批判であるに過ぎない。
 僕はあの作者の肩を持つわけではないが、パンフレットの内容には共感をもっている。
 ALBUMをこのメールに添付して送るので、ぜひとも公表していただきたい。
 すべての議論の正当性はそこから始まるのだ。
 館長であるあなたにも、このことは理解できるはずである。

 早々

 匿名の差出人




麻生絵美子氏の見解




私がかつておこなった行為を記録した写真が<上昇と下降の館>宛に送られてきたとのことですが、
そのようなものが撮られた事実はありません。
従って、それは本物ではありません。
写真を拝見させていただきましたところ、
その一連の写真に示されているありさまは、確かに私が経験したものと同じと言っていいくらい、
当時行われた行為を再現したものになっていることは事実です。
私も古く懐かしい思い出をほうふつとさせられる思いになりました。
しかし、事実ではありません、私の身の上に現実に行われたことではありません。
写真の現実と私の現実とは、事実がまったく異なるということです。
私の現実が事実であるならば、写真の事実は似非現実と言えることです。
撮られている写真の角度や手拭いの猿轡がされているために女性の顔が判然としません。
見ることのできるかぎりの顔立ちでは、私もびっくりしたくらい、若い頃の私に似ています。
しかし、恐らく意図的にそうしているのでしょうが、
写りの悪い写真からは、顔立ちや身体つきがどれだけ似ていようと私を確認することはできません。
それに、この写真には男性が映っています。
そのわずかながらの風貌からは、私を縛った彼でないことは確かなのです。
なぜなら、彼は自身を男性だと思い込んでいますが、正真正銘の女性だからです。
私は女性に裸にされて縄で縛られ、女性の愛欲による作法で責められたのです。
この「絵美子のALBUM」と称するものは、事実を巧妙に似せた似非現実写真と言えるものです。
これだけ近似している写真をどこから捜してきたのかわかりませんが、
このようなことができるのは、当時の事実を知っている私以外のひとり、つまり、彼以外ありえません。
匿名の差出人とは、彼にまちがいないでしょう。
その彼が思い出のアルバムとして大事にしているという似非現実写真。
彼の幻想によって、写真の女性と私を同一視することができるという写真。
その女同士の関係にはまったく関わりのない方々にとって、どのように見える写真なのでしょうか。
ここに発表してもよいのではないかと思います。

なお、彼がこれらの写真をどこで入手したかは不明ですので、
引用の点に問題があれば、<上昇と下降の館>館長まで、ご連絡をお願いいたします。





絵美子のALBUM



上記の写真掲載について、問題のある場合は、お手数ですがお知らせください。

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